琵琶湖疏水アカデミーとは

子どものための京都学

琵琶湖疏水は、現在はおもに京都市民の上水道として利用されています。しかし、長い歴史の中では、「水道水」としての役割だけでなく、時代とともに様々な役割を担ってきました。そして、市民とも様々な形でかかわりを持ち続けてきました。
琵琶湖疏水アカデミーでは、琵琶湖疏水の歴史はもちろんのこと、過去から現在に至る琵琶湖疏水の多様な姿に目を向け、未来を担う子どもたちの学びや活躍を支援するための取り組みを行っています。
琵琶湖疏水に関わる様々な地域でのフィールド調査、ヒアリングを通してたくさんの方々にお世話になっています。時には貴重な資料のご提供をいただいたり、現地を案内していただいたりなど、文献資料だけでは得られない貴重な機会に幾度となく巡り合ってきました。関わってくださった方々に深く感謝し、本団体のメンバーの特性・専門性を生かして子どもたちの探究心をくすぐる成果物を生み出していきたいと思っています。
また、琵琶湖疏水の管理者である京都市上下水道局をはじめ様々な専門機関との連携に努めています。他分野にわたる研究者や地域の方々、さらには若い人材(学生アシスタント)との交流を通して子どもたちが自ら豊かに探究し活躍する場を手厚く応援していきたいと思っています。教育関係者との交流の機会を大切にし、新学習指導要領改訂に伴いますます忙しさが増す教育現場に今必要な支援の内容をお聞かせいただいています。お問い合わせいただいた学校等のニーズに応じた支援を続けていきたいと考えています。

【代 表】小森千賀子
【構成員】7名(代表を含む)
【協力員】久岡道武(琵琶湖疏水記念館 学芸員)
     吉田武弘(琵琶湖疏水記念館 学芸員)
     本多和夫(平安神宮 名誉宮司)
     ほか1名
【特別研究員】京博士
【学生アシスタント】5名

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【特別研究員 京博士】

過去の取り組みから

≪通船事業試乗≫ 2017年11月24日

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京都市上下水道局のご厚意で、2018年春からの通船本格実施に向けての関係者試乗会に参加させていただきました。京都市教育委員会社会科教育研究会にお声掛けし、3名の先生方とともに大津~蹴上までの約1時間を取材しました。

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新船は、12人乗り。滋賀県堅田の杢兵衛造船所が制作を担当されました。すべての乗船者が景色を楽しめるように、座席は横向けに工夫されています。屋根は透明です。

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第一トンネルは、圧巻でした。トンネル入り口からは、2436m先の出口の光がわずかに見えました。このトンネルが、三井寺観音堂の下をまっすぐに通っていることを肌で感じることができました。

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トンネル内は、スリル満点です。竪坑付近にさしかかると船が止まり、しばし楽しまさせていただきました。この日は、竪坑下では、光が差し込むと想像していたのですが、前日の雨のせいか、船の透明の屋根に水が滝のように降ってきて驚きました。

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秋の夕日が差し込んでくる中で、秋の紅葉をゆっくり楽しみながら4つのトンネルをくぐりぬけ、無事に蹴上の御所水道ポンプ室前で下船しました。

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京博士も特別に同乗させていただきました。


≪平安神宮での生物調査≫ 2017年6月13日

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琵琶湖疏水の水は蹴上付近で枝分かれし、南禅寺界隈の60を超える多くの庭園に豊かな水をもたらしています。その水が入り込んだ庭園では、琵琶湖・淀川水系に生息する豊かな生物の姿を見ることができます。平安神宮の神苑もその一つ。

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かつては、琵琶湖にいたはずの生きものが、ブルーギルやブラックバス(オオクチバス)などの外来種の繁殖によって絶滅の危機にさらされている中で、平安神宮の神苑では、絶滅危惧種になったイチモンジタナゴが生息しています。写真は、滋賀県立琵琶湖博物館との連携で2012年から継続されている定期調査の様子です。

この日の調査では、いくつかの地点で全く見られなかったイチモンジタナゴがようやくみつかり、担当者が少し安堵されました。
ここ数年、平安神宮での生息数が減り、要観察状態が続いています。原因の一つは、池にたまったヘドロです。この課題の解決には、多くの関係者の協力が必要です。

琵琶湖疏水アカデミーでは、専門家に関わっていただきながら、子ども向けのミニブック『びわ湖疏水探究紀行』を作成しています。これは、いきものをテーマにまとめた第2号の生きもの編です。

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   【イチモンジタナゴ】

 

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【『びわ湖疏水探究紀行』―いきもの編 ―】